Atelier Mochamura

なんでも研究室

ミミズあれこれ

ミ ミズに似ているけど、 これは何でしょう?




ハ リガネムシ その1

「雨の校庭で生徒が見つけました。環形動物門に属すると思い ますが,名前がわかりましたら教えていただきたいと思います。不十分な写真でわかりにくいと思いますが,すみません。(捕獲日,2001年8月7日)」と 長野県下伊那郡の中学校の理科の先生からのお尋ねがありました。ネットやメーリングリストで問い合わせたところハリガネムシと判明しました。

写真をクリックすれば拡大します↓

2001年8月31日に頂 いた回答です。ありがとうございました。
 

「これはハリガネムシの一種です。類線形動物門 Nematomorha ( 偽体腔を持つ他の諸門と合わせ袋形動物門とする分類も有力)に入ります。
カマキリなどの節足動物に寄生しており、秋になると宿主 から抜け出て、自由生活を送り、春に産卵し、再び、宿主に入ります。結構普通にいて、針金状の外形をしているのでしばしば大騒ぎになります。」

 

ハ リガネムシ その2

2007年10月末、静岡の"たろうず"さんから次のようなメールが届きました。

「ホームセンターで買った木くずの中 にクワガタを一匹飼っていました。」「飼育箱に突然25cmくらいの、見たこともないミミズ?のような生き物が存在していて 」「特徴は、実際に触ってはいませんが、ブニョブニョ這うのではなく、身体を八の字のように反ったり、ハリのある動きをしてとても気持ちが悪いです。ミミ ズによくある白い部分もなく、よくネックレスなんかに使う"合成ビニール紐"のような感じの皮膚です。何より、毎日眺めていたクワガタ以外、きくずしかな い飼育箱の中に、突然こんな長い物体が存在していたことに、ただただ唖然としています。」

一緒に、送っていただいた写真がこちらです。


 確証は無かったのですが、ハリガネムシではないかと連絡をしました。
そして、新たに送っていただいた写真は下の写真のように、普段よく見る、丸まったものではなくピンと伸びたものでした

「半紙の上にだして、全体写真を撮っ てみました。のせたときは、死んだように動かなかったのに、飼育箱に戻したらまた反りまくり中です。太さは、1mm強。長さは30cmくらいです。前も後 ろも今のところ、全然確認できません・・・。」

「実は、子供が"クワガタvsカマキ リ"とか言って、数日前にカマキリ二匹入れていたのです。
二匹を入れた直後、この二匹は喧嘩して、一方は頭がなくなってしまっていたのです。しかし・・・、頭が無いまま4,5日動いていたのです!!!
"カマキリって頭が無くても、生きていられるんだね・・・"って話しをしていたのですが、このハリガネムシを発見した日、この頭の無いカマキリはぐちゃぐ ちゃになっていたのです。自分は、てっきりクワガタか残っているもう一匹に食べられたんだなぁって思っていました。」

 はじめは、クワガタに寄生するのか なぁと思っていましたら、やはりカマキリが関係していたようです。それにしてもエイリアンなハリガネムシです。


キ バビルか?(2001/6/23撮影
(
イシビル科 キバビ ル 
Orobdella
Odontobdella blanchardi )

2001年4月 22日
 神奈川県伊勢原市阿夫利林道
体長30センチほど。頭部側は青みを帯びていて尾部側は黄色味を帯び ています。以前タカオミミズらしきミミズを み込んで いたヒルです。



キ バビル
(
イシビル科 キバビ ル Orobdella blanchardi )

島田さん提供のキバビル(東京都羽 村市)



ヤ ツワクガビル
島田さん提供(東京都 羽村市)



ク ガビル属 

2003 年7月28日
神奈川県にある宮が瀬湖から丹沢の裏に上る林道で轢かれていたヒル。 クガビルの仲間のようだが詳しくはわからない。腹は鮮やかな黄色で、背にはバーコードのような模様がついている。

 



チ ロリ
 (
チロリ科) Glycera chirori
環形動物門 
ゴカイ類 
サシバゴカイ目

2000年2月25日
 神奈川県三浦市小網代
海岸の泥砂の中にいたミミズに似たチロリ。ミミズと同じ環形動物でイ ソメやゴカイの親戚のようです。軍手に乗せ撮影していたら、反対側にベロを出しました。別名ベロダシというそうです。頭部からは細い糸状のものが四方に伸 びていました。釣りえさに用いられるそうです。体長6〜14cmほど。



コ ウガイビル

オ オミスジコウガイビル 
(
コウガイビル科) Bipalium nobile 

) 扁形動物  PLATYHELMINTHES 
綱) ウズムシ類 TURBELLARIA 
目) ウズムシ類 
コウガイビル亜目 TERRICOLA

<岩波 生物学辞典第4版>
扁形動物門 Platyhelminthes:Hyman(1951)
渦虫綱 Turbellaria:Ehrenberg(1831)
コウガイビル亜目(陸棲三岐腸類) Terricola:Hallez(1892)

写真のミミズに似たものは体長60 センチほど。頭部は半月状で葉形。背部に三条の黒い縦線があります。名前や形からヒルのようですが、ヒルはミミズと同様環形動物ですが、このオオミ スジコウガイビルはナミウズムシ(プラナリア)と同じ扁形動物でコウガイビル科に属します。もともとは東南アジアに生息していて、外来種として日 本に入り、今は全国で見られるようです。

2000年8月13日 
千葉県市川市塩浜中央 公園内  撮影:アッパーマン

2001 年5月1日 
東京都千代田区外堀公 園

 



その他のコウガイビル

クロイロコウガイビル (コウガイビル科) Bipalium fuscatum か?
扁形動物門 PLATYHELMINTHES 
ウズムジ網 TURBELLARIA 
コウガイビル亜目 TERRICOLA 

体長は10センチほど

2001年4月20日 
神奈川県鎌倉市玉縄台

20016月23日 
神奈川県鎌倉市

 コウガイビル クロイロコウガイビルか?

2003年8月  東 京都千代田区

コウガイビル ワタリコウガイビル Bipalium kewense Moseley, 1878か?

コウガイビルの食事風景


三角で真っ黒な目のあるミミズ?  
掲示板 に江口満裕さんから
「始めまして。私は南カリフォルニアのハンティントンビーチというLAから 45マイルほど南の市に住んでいます。実は、庭の雑草取りをしていたら庭石の下にミミズを数匹見つけました。よく見るとその中の二匹だけ頭が三角で真っ黒 な目が両サイドについています。どう見ても蛇の子ではなくヌメリのある赤黒いミミズです。体長は約5センチほどです。この生き物に興味を持って調べていく うちにあなたのサイトにたどり着きました。どうぞこれがなんと言う名前のものなのかお教えいただけませんか?よろしくお願いします。 」
という投稿がありました。ミミズに目は無いけれど思い、そのことを伝えたところ
「早速裏庭を探索にして一匹発見しました。デジカメで撮影を・・・あれ?手足 が付いてる!
これっても しかしたらイモリだったの?(注1)
お騒がせし て申し訳ありません。しかし近辺には水源になるものはなく、ミミズと同居しているのですよ。」
というお話とともに写真を送ってもらいました。下の写真がそれです。


ごらんのように体の割りに手足が小さいよ うです。
日本によくいる、トカゲやイモリ、ヤモリと比べてみてください。

 たしかにミミズと見間違えるのも無理ありませんね。
世界には足の無いイモリ(注1)がいるそうですが、このイモリはその一歩手前の種類のような気がします。

(注1)その後2006年11月に掲示板で「すけきち」さんから、これはサンショウウオの一種だと教えてい ただきました。

林道でみつけたミミズに似たもの
2006年11月のある日、神奈川県の丹沢にある大山 林道を自転車で走り、イイズ カミミズを探していて見つけた怪しいもの。
ケ ンチク科またはドボク科のキン属 Reinforced concrete steel rod 和名 鉄筋コンクリート用棒鋼、通称、鉄筋 でした。


ミミズヘビ
 2008年に沖縄 で日本土壌動物学会が行われました。大会後のエクスカーションがヤンバルの森であり、その宿舎の近くの朽木の中にいたという、ミミズそっ くりのヘビです。ちょうどクソミミズを少し大きくしたようで、知らないとミミズにしか見えません。でも、よく見るとうろこがあり、目のようなものもありそ うです。 

世界のミミズに似た動物


世界中にはこんな動物が、というような様々な動 物がいます。ミミズに似た動物もそうです。 
それは、 

両生類()ア シナシイモリ類()Gymnophiona 
爬 虫類()のトカゲ類()トカゲ類(亜 目)ミミズトカゲ下目ミ ミズトカゲ科 Amphisbaenia  
爬 虫類()のトカゲ類()ヘビ類(亜 目)SERPENTES(Ophidia)メ クラヘビ科 Typhlopidaeホ ソメクラヘビ科 Leptotyphlopidae 

で 数メートルもあるものもいて巨大ミミズと間違えても無理のないものもいます。

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