それでは、ということで1年間のミミズの出現と地震との関係をみてみました。
ミミズの観察地は鎌倉の北部にあり、車道が二車線で、歩道が幅約1.6メートル、共
にアスファルト舗装がしてあります。脇は石垣になっていて、その上は小さな森になっています。
この歩道の幅1.67メートルで長さ268メートル、面積にして約450平方メートルが観察地です。この歩道に生きたミミズが何匹出ているかをかぞえました。死んでいるミミズもカラカラに干からびているのを除きカウントしました。
ほぼ、毎日定点定時(午前6時30分ころ)観察をした数字です。
地震については、神奈川県東部で感じた地震で(地震情報で震度が示されたもの)主に関東地方を震源域とするものでマグニチュード5以上のものをピックアップしました。
一日に数回発生していた2000年6月以降については、マグニチュードを合算したものと、その日の最大値をとった場合の二つのグラフにしてみました。
(1)1999年6月〜8月
この時期では、ミミズの出現はありましたがM5以上の地震はありませんでした。とくに、定常周期から外れた6月14日の新月の時や7月30日満月での出現の後での地震の発生もありません。
(2)1999年9月〜2000年12月
この時期にはミミズの出現数も多くて5匹前後で、異常な出現とはいえません。しかし、地震はコンスタントに月一回のペースで発生しています。
(3)2000年1月〜5月
この時期も前期同様、ミミズの出現数は極端に少なく、異常な出現はありません。一方地震は、平均月に1回ペースで発生しています。
(4)2000年6月〜7月
この時期は、ちょうどミミズの出現のピークの時期と伊豆諸島の地震が重なっています。このためミミズの出現を不安に思う人もいるようですが、ミミズの恒例の「行事」=生態だといえます。とくに7月23日前後の出現は、定期出現と非常な暑さも重なり各地でミミズが出現したようです。
1.エネルギーを合算
2.一日の最大値を採用した場合
単純にミミズの出現と発生した地震との関係をグラフで見てみましたがこれと言う結論は出ませんでした。そのなかで感じたことを中間報告代わりにします。
●地震は四六時中、いたるところで発生しているのだと言うことを改めて感じました。
●さらにマグニチュード5〜6クラスの地震も頻繁に起こっていました。
●ミミズは周期的に出現しますが、地震も月や惑星の位置に関係すると言う説に拠ると関係はあるようなないような、ともかく前兆現象とはいえなくなるかもしれません。
●すくなくともM5〜6クラスの地震とミミズの出現とは、はっきりとした関係は見つかりませんでした。
●ただ、出現周期から外れたミミズの出現は、もうすこし様子を見る必要がありそうです。さらに、巨大地震では事情が違うのかもしれません。
●これから調べたいことは、実際にあった大地震でのミミズの様子。電磁気とミミズなどです。
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