技はいりません。のこぎりに切ってもらうのです。人は手を添えてまっすぐ手前に
軽く引くだけでいいのです。力も技もいりません。
ノコの柄を親指と人差し指でつまみ、まっすぐ手前に引けば自然と切れていきます。そのくらい力は入れないほうがいいのです。実際は軽く柄をにぎり軽く引
いたり押したりします。力を入れるから右に左に曲がるのです。曲がると余計に引っかかり重くなってしまうのです。
ただある程度いいのこぎりでないと、このことは言えません。いい道具というのはそ
の道具を作った人の技がこめられているので、その人に助けてもらっているようです。
このことは工作道具だけでなく楽器にも言えそうです。以前クラリネットを吹いていたときがありますが、最初にはじめたときプラスチック製のクラリネット
で練習したのですが、なかなかいい音が出ずにいました。ところが木炭製のいいクラリネットに変えたとたん、いい音が出て上達も早くなりました。ギターでも
そうでした。機械加工のギターではなかなか良い音が出ませんでしたが、手工のギターではどう爪弾こうがいい音が出るのです。フレットの押さえも楽にできま
した。
道具に戻りますが、ナイフなど刃物も良く切れるものでないと怪我をしてしまいます。良い道具を良く手入れする。この過程をも楽しめないともの作りは大変
なようです。
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