その２
前回の趣旨は、親の生きている世界の環境が最適なのであれば無性生殖では同じ形質を持った子が生まれるのでその子にも最適の環境であることから、無性生殖が合理的な生殖法といえる。一方、有性生殖は、無性生殖と違い、遺伝子の新しい組合せが生まれるので、子孫に新形質が出現する可能性が高く、環境への適応の多様性が増す、というものでした。
しかし、ご質問の趣旨は「ミミズが雌雄同体(Monoecious）であると有利な点は何か」でしたよね。
じつはなぜ有性生殖と無性生殖の話をしたかというと、ミミズは有性生殖ではあるが種類によっては、自家受精しているのではという説があるからです。たしかに、たとえばほとんどのヒトツモンミミズに雄性生殖孔がありません。摂護腺（精巣）はあってもそれを他のミミズに渡す器官がないのです。でも毎年、大量に誕生しています。どうも自家受精しているのではということです。
以上から、ここは私の考えですが雌雄同体(Monoecious）であると有利な点は、効率よく有性生殖ができる点（雌雄異体とは違い、配偶子のバリエーションが豊富）と一方で無性生殖ほどではないが同一形質に近い子孫を増やせる自家受精ができるという点ではないかと思います。