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なんでも研究室

自転車は二輪なのになぜ 倒れないで走り続けられるのか


 普段何気なく乗っている自転車やバイクですが、四輪の自動車なら分かるけど二輪でどうして倒 れないで 走れるのか?その理屈をむかしどこかで聞いたようではあるが、いざ説明しろといわれると よく分からないのではないでしょうか。
そこで”なんでも研究室”で考えてみることにしました。

1998年9月11日
 ぼんやりとした考え方の輪郭をとりあえず・・・ 自転車で倒れずに走りつづけられる理由を考えるポイントは

1.車輪(ホイール)だけを転がしても倒れないで転がりつづけるがこの原理はあまり関係なさ そうだ。
  自転車の回っていこうとする力と人の体重はあまりにも違いすぎる。

↓     

2005年 関係ないというのは間違 いかもしれない。車輪だけを立てるとき、静止しているとチョット傾けて手を離したらすぐに倒れてしまう。しかし、転がせば少しぐらい傾いていても傾いた方 に転がっていくだけですぐには倒れない。この現象は関係ありそうだ。
車輪が回ることにより姿勢を保とうとする現象=ジャイロ効果についてはとりあえず無視しよう。

2.人の乗らないラジコンバイクが倒れずに走りつづけられるの はなぜか。
このことが関係しているのだろうか。
 乗っている人形は左右に動くようになっているがバランスをとっているような微妙な動きはしていない。舵をとるとき重心を移動させバイクを左右 への舵取りをしているだけのようだ。
どうも前輪の構造に秘密があるようだ。フロントフォークの角度が垂直でなく 少し前へ傾いている(たしかキャスター角という)これをなくしたらすぐに倒れそうだ。これは実験に値する。
角度があるために、自動的に車体が例えば右に傾いたら、前輪が右に振れるようになっている。ただフロントフォークの延長線上に車軸があると、ハンドルが まっすぐな時に車高が一番高く、ハンドルを切っている時は少し車高が下がってしまいます。このため 真っ直ぐ走るのが不安定になります。だからでしょうか、車軸はフロントフォークの延長線上より少し前の位置に取り付けてあるようです(これをトレール長と いうらしい)。ここらへんは、そのうちに考えを図にします。

3.初 期の自転車はキャスター角が無いようだ。これも主な原理ではなさそうだ。
自転車の操縦を振り返ってみると低速なほど、こまめにハンドルを左右にきっているのに気づく。 右に倒れそうになったら右にハンドルをきり、左に傾いたら左に切る。これがみそのようだ。 簡単に言うと、走行中にたとえば右に倒れそうになった時、ハンドルを右に切れば、車体や人はそのまま真っ直ぐ進もうとするため、進もうとするこの力の一部が左に引っ張り起こす力にな り、それで倒れないのではないか。
図のaは、まっすぐ進もうとする力。この力は、ハンドルを右に切ったためハ ンドルを切った方向に進もうとする力bと左に押す力cとに分解できる。 このcのチカラが自転車が倒れずに走りつづけられる秘密ではないだろうか。
 ただし、図のようなチカラが働くのはペダルを踏み加速している時のような ので、惰性で走っている時はどうなのだろうか。
なにはともあれ、オートバイの場合はキャスター角等があるためハンドルが自動的に切れて倒れずに走れることになるようだ。
一方、自転車で走っている最中は主に人が絶えず細かくハンドルを左右にきることにより バランスをとっているようで、自転車のハンドルを左右に切れないように固定 するとすぐに倒れる。この辺は、ヒントになりそうだ。 そのうちにもう少し詳しく考えと実験結果を 書きます。

4.ホ ウキを逆立ちにして人差し指に乗せバランスをとっている原理(倒立振子=トウリツシンシ)と関係があるのだろうか。
自転車に乗っている人を上から見たとして、乗っている人の重心が前後輪を結ぶ線よりずれた場合、そのままではずれた方へ倒れてしまいます。そこで倒れそう な方向へハンドルを切ることにより重心の下に前後輪を結ぶ線が来るように移動します。 このように直進する時は、絶えず前後輪を結ぶ線の上に重心がくるように 操縦しているのではないでしょうか。

2000年1月  前ハンドルに鍵が直進状態でかけられる自転車で鍵をして走ろうとしてみました。すぐに倒れて1メートルも進むことができませんでした。 ハンドルを左右に動かせることが倒れない条件であることがはっきりしました。
 

5.なぜ自転車 は倒れないで走れるか
2003年8月、私=ドラえまんの考えた結論を言ってし まおう。
 自転車に普段何気なく乗っている我々が、無意識のうち に絶えずハンドルを左右に切り、倒れないようにしている。右への傾きを感じたら、ハンドルを少し右に切り、左に傾きを感じたら左に切る。これを繰り返して いる。自転車に産まれてはじめて乗るときは、これが出来ない。練習して体で覚えるのだ。
 ためしに、前ハンドルをロックしてみたらいい。ハンド ルを左右に切れなくなったらどんなベテランも走りつづけることは出来ない。
 この無意識の左右へのハンドルさばきに、乗り手の推進 力か慣性力(力学的にはこう言わないらしいが)が復元するのを手伝う。前へ進もうとする力が大きいほど自転車の左右への倒れこみを防ぐと共に、倒れた場合 の復元力も強くなる。だからスピードがないとフラフラするし、ある程度のスピードがあると安定してまっすぐ走れる。
 じつは、これから先が少しややこしい。ある程度スピー ドが出てくると、トレール長やキャスタ角がないと倒れないで真っ直ぐ走るには、腕力も技術も必要になってしまう。
この続きはいずれまた


2005年少し訂正
スピードがあると安定し、超スローでは不安定の訳はちょっと違う。
自転車が横に倒れるスピードと、自転車位置を重心にもって行くスピードとの関係のようだ。
自転車のスピードが速ければ早く重心の位置を合わせられるし、ハンドルを切る角度も少なくて済む。

以上のように難しい力学は一切必要なく、棒を手のひらに立てて、バランスをとっているのと同じことをしているだけ、ということです。





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