★Atelier Mochamura
シマミミ ズを育て る  
●シマミミズの飼育をはじめた
  いつから始めたか覚えていませんが、60センチの長さのプランター二つにミミ ズがいます。このミミズは、鎌倉と横浜の市境にある畑の脇に積み上げられた野菜くずの中にいたものです。(1998年9月にはじめての脱走を経験している のでその前から飼っていたようだ)
 現在、何匹いるか数えたことはありませんが、四人家族で毎日出る野菜屑をあげて います。野菜は、足りないくらいです。 ミミズのせいだけではないでしょうが、今のところ、台所ごみの減量効果は抜群です。おまけに臭いもさほど出ていません。 そのうち何匹いるか数えてみます。 1999年冬 
●逃げたミミズの暮らしぶ り1999年5月
 二つのプランターのシマミ ミズに似たミミズ(以下しまみみず)を2,3日見ないでいたら、一つのプランターのミミズが一匹ものこらずいなくなっていました。 プランターの中は野菜屑も無くなり水浸しになっていました。集団脱走です。
回りを探すと、プランターの下や、植木鉢の下などにいました。数十匹が一塊になり 土の表面にいるものや、土中に塊になっているのやら、 セオリー通り土中に穴を明け頭だか尻だかだけを地表に出している集団もいました。
●1999年9月
 しまみみずを飼うのにちょうど良い入れ物がみつかりました。生協で売っていた生 ごみを菌によりコンポスト化するバケツです。 底にはスクリーンがあり水分をろ過して貯めることができコックをひねれば取り出せる仕組みになっています。
通気のため上部の フタに穴をあけ、防虫のためにストッキングを網の代わりにしました。 この部分が網戸の網だと小さなハエは出入りができてしまうためです。これだと、アパートなどのベランダでミミズを飼うことができそうです。
(追記)
 いままで、ミミズ飼育で一番困ったのは実は虫です。小バエやミズアブ、ナメク ジ、ゴキブリなどです。 ミズアブは直接の害は無くて、尺取虫など、野放しにしておくと植物を全部枯らしてしまう幼虫を食べるようですが、ミズアブ自身の幼虫が 居るとそこをミミズが避けているような気がします。
 小バエが一番困ります。付近一帯に飛び回って、醤油挿しの中まで入ってしまいま す。 そこで今回の工夫となりました。冬のせいもあり、今のところ防虫は良好です。
●2000年1月 6日
しまみみずの毛
しまみみずをルーペで拡大してみました。 たしかフトミミズは環の回りすべてに毛が出ていたような気がしましたが(春には調べます)しまみみずには一つの環には、2箇所(後日調べたら4箇所でし た)にしか毛が出てなくて一箇所に二本ありました。 この硬い毛は体を伸ばすときには引っ込み縮めたときにニュッと出てきます。
 ●2000年1月22日
ここ鎌倉でも気温が氷点下まで下がったのと、最近内部まで見ていないのでミミズコ ンポストのバケツ をひっくり返してみてみました。 相変わらずそこそこの数のミミズが暮らしていました。 土が多くなっているようなので半分は昔使っていた園芸用のプランターに移しました。それぞれに炭を少々いれました。
●シマミミズの交尾の様子
2000年4月2日
 交尾の様子を見てみます。見つけたカップルでは、まるでお互いに一つの首輪に一 緒に入って締め付けているような様子でした。今後、最初からじっくりと観察する予定です。
 
●2000年4月9日
 交尾しているときのミミズの環帯の部分(左の写真のミミズの中央)は扁平になっ ていて、相手をくるむようにつかんでいます。さらに輪ゴムのような透明な環(右の写真の⇒の部分)で締め付けられています。

●2000年7月1日
 バケツが満ぱいになってきたので、コンポスト=土を取り出しました。ミミズと一 緒にバケツの中味を全部地面に広げて、10分ほど待って、土に隠れて所々に大集団のかたまりになっているミミズをバケツに戻しました。
 最近は色々な物をあげていますが、間違って入れたニンニクのかたまりに大挙して 集合していたことがありました。トウモロコシの皮やひげもすぐに無くなりました。スイカやメロンは表面の薄皮を残しきれいに無くなります。
 液肥も順調に取れています。湿度が高いとバケツの回りに結露した水も一緒に出て くるようです。取り出した液肥はペットボトルに入れて保存していますが、ウーロン茶にそっくりです。

●ミズアブ2000年8月26日
  ハエや蚊の仲間のミズアブが大量発生してしまいました。ミズアブの幼虫は蛆虫のようで慣れないと不気味です。この幼虫は、くさった植物を食べるそうです。 ミミズコンポストの中にとうもろこしの皮を大量に入れたので、ちょうど草が腐ったような状態になりミズアブの幼虫にとって最適の環境になってしまったよう です。写真は幼虫と成虫。
 
●コバエの来ないハー ブは何か2000年9月2日
 「コバエの来ないハーブは何か」のテスト結果
 シマミミズの飼育でコバエはいやですね。特に害はないのかもしれませんがユスリ カと同じように迷惑虫です。そこでコバエが寄り付けないようにする方法の一つとして、ミミズコンポストにハーブを一緒に入れて効果があったとの耳寄りな話 がありましたので、色々なハーブ類で実験をしてみました。
 一週間経過しての結果で成績がもっとも優秀だったのは
 @ 白 コショウの実をつぶしたもの
 A メドーセージの葉
 B レモンバームの葉
 C ローズ・ゼラニュームの 葉
 D タイムの葉
でした。一週間で力尽きたのは
 E 蚊 連草の葉
 F ラベンダーの葉
 G バジルの葉
以外に駄目だったのは、2〜3日でコバエが来た
 H 唐 辛子
 I どくだみの葉
翌日にはハエが来たのは
 J  ローズマリーの葉


 さらに、おまけの発見(再確認)がありました。それは、上位に書いた白コショウ など三つはカビも抑えられていると言うことです。他は白いカビが生えてきました。
 以上ですが、これらがミミズにとって迷惑かどうかはわかりません。

 実験方法は、ペットボトルで作ったトラップの中に、ひき肉少 々、タマネギ一切れ、これに醤油を少々入れました。このトラップの入り口に色々なハーブを置き、コバエの来るのを待ちました。

9月8日(金)
 二週間たちました。最後までコバエが来なくてウジもわかなかったのは白コショウ とローズゼラニュームでした。特に白コショウはカビも抑えられました。
 よって「コバエの来ないハーブは 何か」の今回のテスト結果では、スパイスの白コショウとハーブのローズゼラニュームが最も優秀 な成績でした。ただし、ミミズへの影響はわかりません。

●2001年3月3日
 近所の畑の脇の野菜くずの下にいたしまみみず50匹くらいを捕って来てミミズ飼 育器に加えました。

●2001年5月20日
 ミミズトの「えさ」を控えめにしていたらメロンの薄皮とタマネギの茶色の皮、 キャベツのかけらだけになっていました。そのせいか、卵(卵包)が大量に産まれていました。(写真の黄色い点々が卵)これがすべて孵ると一体何匹になって しまうのだろう。
●コバエ、ミズアブ立ち入り禁止
2001年10月13日
バケツのふたが固いのと、通気の改善のため上蓋をはずして、かわりに100円 ショップで買った洗濯ネットをかぶせました。いたって良好。もう1ヶ月近くになります。
  
 丸ごとミミズをネットに入れそれをバケツに入れチャックをしてしまう方法もある そうです。
大き目の洗濯ネットでスッ ポリおおう方法もあります。
 いずれも、ミズアブやコバエはネットの外から卵をバケツの中に産み落とすという芸当をやるようで、上部はネットを二重にかぶせるのが良いようです。
●アカミミズって、どのミミズのこと?
 シマミミズはツリミミズ科(Lumbricidae)のシマミミズ属(Eisenia)に属し学名は、 Eisenia fetida (Savigny,1826)と言います。
そして和名がシマミミズなのです。
カリフォルニアのミミズコンポストを扱っているホームページによればシマミミズのことは、
Manure (肥料) WormやCompost (堆肥) Worm と言ったり、一般には
Redworm
,
Red Wiggler (揺り動かす),
Tiger Worm,
Stink Worm,
Fish Worm, 
Dung Worm,
Fecal Worm,
Striped Wormusなどと言われているそうです
(Happy D Ranch  http://www.happydranch.com/index.html などより)。

 一方、アカミミズとは学術的には
ツリミミズ科 (Lumbricidae)のオー シュウツリミミズ属(Lumbricus)の
Lumbricus rubellus
Hoffmeister, 1843の和名で日本には養殖ミミズとして導入さ れているといわれています。通称はRed Marsh Worm 直訳すると "湿地の草原の赤いミミズ"
Red Wriggler"赤くて体をくねらせる"の名がついています(Earthworm Information http://www.sarep.ucdavis.edu/worms/より)。
 また"red worms" や "leaf worms" といって紹介している大学もあります。
 ということで Lumbricus rubellus Eisenia fetida も共にredwormと言われています。
 直訳してしまうと両方とも"ア カミミズ"になってしまう。このため、日本では少し混乱しているようです。
●シマミミズって何者?
 シマミミズはシマミミズ属(Eisenia)の一つの種で学名はEisenia  fetida (Savigny,1826)ということですが、Eisenia foetida Savigny, 1826と書かれている資料もあります。
でもこれは横浜国大のCOEフェローRobert J. Blakemore によれば書き間違ったものだそうです。
 またEisenia  andrei  Bouch, 1972については遺伝子で調べなければシマミミズと区別がつかないそうで、養殖ミミズやミミズコンポストで使われているミミズは、このエイセニ ア・アンドレかもしれません。しかし、このアンドレもシマミミズ属であるため広義ではシマミミズといえますが、国内に自然にいる種レベルのシマミミズEisenia  fetida (Savigny,1826) とはちがいます。見かけは全く区 別は付き ませんが、繁殖力が強かったり、そのくせ温度に対する耐性は弱いなど違いもあるようです。フィールドではどうなるのでしょうか。また交雑もあるのでしょう か。
 そのほかシマミミズ属として次のようなものがWebで見つかりました。分類学者の検討結果によっては同名異種であったり異名同種のものもあるようです。

Eisenia  eiseni (Levinsen, 1884) 
Eisenia  hortensis (Michaelsen, 1890)
Eisenia  japonica (Michaelsen,1891)
Eisenia  nordenskioldi 
Eisenia  parva (Eisen, 1874 
Eisenia  rosea  Savigny, 1826
Eisenia  roseus - - - Michaelsen, 1913
Eisenia  spelaea Rosa, 1901 
Eisenia  veneta (Rosa, 1889) 

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