★本で探したミミズ
と薬
みみずを薬として利用する話は沢山あります。ここでは片っ端から情報を集めてみ
ました。研究論文や民間伝承など様々です。そのうち整理します。
ただ、まだ調査は途中ですが効果があった時の過大評価やプラセボ効果を差し引いてもミミズの薬としての効能は絶大のようです。
【畑井新喜司 みみず 改造社 昭和6年7月10日発行】での紹介
東
洋では昔からミミズを薬として使っている。
インドではミミズを焼いてパンと一緒に食べると膀胱内の石を小さくし排出する
といわれている。
乾燥したものを食べると黄疸を治す。
困難な分娩を容易にする。
ミミズの灰は育毛剤として使われる。
強性剤として使う。
解熱剤として使うのは広く行われている。
ミミズのエキスにはチロシン(Tyrosin)の反応を呈するものがありモル
モットの熱を短時間に0.7度も降下させるという学者がいる。
「ミミズには解熱作用がある物質が含まれていて家兎の体重1キログラム
に対し0.15ないし0.25グラムを内服か皮下注射すれば人工的に起こした発熱に対し下げる効果がありこの物質をLumbrofebrin
ルンブロフェブリン(C9H18N2O6)と名づける。」田中伴吉・額田晋(1914)「蚯蚓の解熱作用及び其の有効成分に就きて」東京醫學會雑誌 第二
十九號
「ミミズには溶血成分を含んでいる。ミミズ毒には二種あり、神経系統を
侵すものと血球を溶解するものとがあり両者を総称してテレストロンブリリシンと命名する。」瀬脇壽雄(1914)「テレストロ」「ロンブリリシン」(蚯蚓
毒)ニ就イテ)成醫會月報 第387號第390號第391號
「ミミズの浸煎出液は解熱作用がある。」溝口龍三 「蚯蚓の藥物学及び
化學的研究第一回報告」東北醫學會會報第74号
「フツウミミズのエーテル溶解物質、アルコール溶解物質及び水浸液を分
析して、種々の物質を見つけた」
村山義温 青山新次郎共著「蚯蚓の成分 第一第二報」醫學雑誌469号484
号 大正10年、大正11年
【ヒトとミミズの生活誌 中村方子歴史ライブラリー31吉川弘文館1998
年2月1日発行 ミミズの薬用成分と有毒成分】での紹介
「本
草綱目」(1596年刊行)に解熱剤、子供の小便不
通、頭風の歯痛、卵腫、脱肛
「自然の薬箱」(鯉淵百合子訳1992)にルンブリクス・テリストリスという
ミミズは「呼吸困難、咳、むくみ、発熱など特に肺にかんする症状に処方また解熱剤としても使用する」
【ミミズ養殖読本 斉藤勝 朝日出版昭和52年9月15日発行】での紹介
利
尿・解熱、マムシにかまれた場合生のミミズを擦り付け
ると速効がある。
乾燥したミミズの粉末を服用すると腸チフスや脚気に効く。
生のミミズを黒砂糖に入れ解けた液を付けた紙を患部に貼る。
痔疾には生のミミズを黒焼きにして粉末をゴマ油でねり、脱脂綿につけて肛門に
あてる。
吉川弘文館発行 中村方子著「ヒトとミミズの生活誌」で中村博士も言われ
ていますが、論文に関してはミミズの種類や実験方法に不十分なものもあり評価しにくいものがあるようです。無条件に孫引きすることを戒めています。という
ことでくれぐれも鵜呑みにしないでください。
そのうち「地竜」を手に入れて自分で試してみます。最近あまり風邪でも発熱した
ことは無いのですが・・・・
【「婦人百科事典」(昭和9年刊:
阿部郡教育会)】
数年前にメールで教えていただいた情報をアップするのを失念していました。
「肺病にザクロの葉」とか「腹痛にゲンノショウコ」などの民間療法の紹介の中にミミズ
について書いてありました。以下がその内容です。
「熱取
りにミミズ。ミミズの陰干したるものを三四匹と氷砂糖に枇杷の葉1枚を入れ二合の水を一合に煎じつめて飲むとよい。」
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