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ミミズあれ これ
ミミズの分類
ミミズの分類--ミミズの種類を調べる
 
 
 ミミズにはどんな種類があるのでしょうか。ミミズの種類について書いてある本や図鑑を探 しました。さすがに何種も載っ ているカラー図鑑は見つかりませんでしたが・・・・
 

 

動物の分類
そ の前に、ミミズは動物の中でどんな分類の中に あるのでしょうかチョット調べてみました。

最近の動物の分 類は学校で教わってきた分類と少し違っています。
理科年表(国立天文台編 平成18年 2006第 79冊)では、門と して

脊 索動物(せきさくどうぶつ)Chordata 脊椎動 物は亜門、
棘皮動物(きょくひどうぶつ) Echinodermata、
半索動物(はんさくどうぶつ) Hemichordata、
毛顎動物(もうがくどうぶつ) Chaetognatha、
ゆうしゅ(有鬚)動物  Pogonophora、
ほうきむし(箒虫)動物 Phoronida、
腕足動物 Brachiopoda、
節足動物 Arthropoda、
舌形動物(ぜっけいどうぶつ) Pentastomida、
緩歩動物(かんぽどうぶつ) Tardigrada、
有爪動物(ゆうそうどうぶつ) Onychophora、
星口動物(せいこうどうぶつ) Sipuncula
扁形動物(へんけいどうぶつ)  Platyhelminthes、
環形動物(かんけいどうぶつ)  Annelida などがあり ます。

| 全ての門は こちらへ |

|生物の中での位置はこ ちら へ|

この環 形動物門(Phylum ANNELIDA )は 綱として 

ゴ カイ類(多毛綱)Class Polychaeta、
ミミズ類(貧毛綱)Class Oligochaeta
ヒル類 Class Hirudineaの三つに分けられています。
ということでミミ ズは、このミミズ類(貧毛綱)Class Oligochaetaに属しています。
この学名のOligochaetaは(Oligo = few, chaeta = hair)だそうです。

 また、最近の分類の提案 では疣足(いぼあし)の無い貧毛類とヒル類を 環帯類 Clitellata
とし、ゴカイ類はそれと同列に扱うべきとされて います。

疣足(いぼあし):ゴカイ類では各環節の両側に生じている肉質突起があり、移動に役立つほ か、毛細血管に よるガス交換や卵の保存場所になる。 

なお、つい最近までの動物の分類は、まず大きな分類として、ご存知の 

脊椎動物門、 
ホヤなどの原索動物門、 
ナマコやウニ・ヒトデの棘皮動物門、 
昆虫やムカデ・クモ・カニ・エビなどの節足動物門、 
タコやイカ・貝などの軟体動物門、 
クラゲやイソギンチャクなどの腔腸動物門、
海綿動物門などがありました。
そして、その一つとしてミミズの属する 
環形動物門があり、環形動物門は 
原始環虫綱、 
多毛綱、 
貧毛綱、 
ひる綱、 
ゆむし綱、 
吸口虫綱
の6綱に分けられていました。しかし、現時点では門も整理されてきており、環形動物も三つの綱に なり、さらに分子系統学や分岐分類学の進展に伴いこれらの 分類も新たな提唱がされています。(2001年現在)
ミミズの分類
書 籍や文献からミミズの種類や分類について書か れている内容をピックアップしてみました。最終的には手にしたミミズが何んという名前か判るところまで整理したいのですが・・・
 
まず、ミミズといっても便宜的に大きく分けると、陸に棲むものと海や湖、地下水などに暮らす水生の物がいます。また、ヒメミミズや顕微鏡で見ないと分から ない体の長さが数ミリ程度以下の小さなミミズとそれより大きい大型のミミズがいます。
とりあえず、ここでは陸生の大型ミミズを対象としています。

1.日本の ミミズ

  昆虫や魚や植物などでは、捕まえたり見つけたものがなんという名前で、どんな特徴や生活しているかなどを知るには普通、図鑑をしらべます。しかし、ミミズ には今のところ、これだという図鑑は見当たりません。
 そこで、日常生活でチョット、ミミズの種類を知りたいという場合に分かるリストと、ある程度専門的に調べたい場合のリストを探しました。

    
■  Review of Japanese Earthworms (Annelida: Oligochaeta) after Blakemore (2003).    
Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): a review and checklist of species
Robert J. Blakemore

Japanese earthworms revisited a decade on (Oligochaeta: Megadrilacea)(2013)

フトミミズだけですが図もあり日本語 で整理されているのが以下の研究です。
■ 石塚小太郎「日本 産フトミミズ属(Genus Pheretima s.lat.)の分類学的研究」

最新の情報と比 較しつつ見るのが前提で参考になるのが
■ 北隆館「新日本動 物図鑑」と、当ホームページに載せている
■ イーストンに よる日本のミミズの分類と検索法です。

その他の資料からピックアップしてみ た表はつぎのようになります。

■ 渡辺弘之著 「ミミズの生活を調べよう」では 

■ 青木淳 一編 日本産土壌動物検索図説より

■ 中村好男著「ミミ ズと土と有機農業」より

2.世界のミミズ

世界のミミズの分類は次々に変 わってきているようです。その変遷の様子の一部は下のようになります。
各国でどのようなミミズがいるかは、次の3.各国のミミズリストへリン ク
で 探せますがRob Blakemore 博士が各地のミミズを整理しています。■  中村方子著「ミミズのいる地球」中央公論社より 

■  EDWARDS & BOHLEN の分類

 

3.各国のミミズリストへリン ク

4.ミミズは世界や日本で何種類いるの?
 ミミズの分類を見てきたように、考え方・見解が様々にあり、大き くはその生物をミミズの仲間に入れるかどうかで違ってきますし、同じ名前でも違った種類だったり、逆に別の名前がついていても同じ種類だったり、さらには いまだに新種が発見されていたりで断定的な数は言えませんが、ある条件付きでは、数を言えそうです。

Robert J. Blakemore(2007)の場合
世界では、6,000種の記録があるが、これは全体の20-30%であろうとしています。日本の記録は約160種あるが、整理したところ約80種になった ということです。
 そして、Robert J. Blakemore . Japanese earthworms revisited a decade on (Oligochaeta: Megadrilacea)(2013)では、新種の発見もあり、日本産は8科96種あるとしています。
 ただし、これには海産・淡水産の水生ミミズは入っていなくて、ヒメミミズを除いた陸生大型ミミズ類を対象としています。

以上から、一つの言い方として、「陸生の大型ミミズは世界で、約6,000種、日本には約100種類いる」といえそうです。


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