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なんでも研究室

ミジンコの大量発生の条件

研究 その2



 滋賀県立衛生研究センターでプランクトンの仕事をしている方からメールをいただき 「基礎的な実験が終わってから、いろいろな薄い濃度の餌で実験されたら」と教えていただきました。 そこで改めて基本的なことから始めることにしました。

ミジンコの普通の寿命はどのくらいで、メスはどのくらいの間隔で何匹ぐらいの子供を生むのか?
 
  • 7月はじめに、近くの田んぼ(横浜市戸塚区小雀)からミジンコをとってきました。
  • ペットボトルに発酵鶏糞を入れメダカのいる水槽の珪藻類と思われる緑色の水を少々入れ日向に置いておきました。
  • 獲ってきたミジンコから生まれた赤ちゃん一匹から観察を始めました。このミジンコのニックネームはゴッド・マザー
  • ゴッド・マザーを白い小さな皿に入れ、ペットボトルの緑の水をスポイトで1ccほど入れます。色が薄くなったらこれを繰り返しました。
  • ルーペで観察し赤ちゃんが産まれたらすぐにゴッド・マザーを別の皿に移します。そして元の皿に残った赤ちゃんの数をルーペでのぞいてカウントします。
7月12日   ゴッド・マザー誕生
7月17日 誕生から5日目 ゴッド・マザー第一回目で4匹を出産
7月19日 誕生から7日目 ゴッド・マザー第二回目の出産9匹。計13匹を出産
7月20日 誕生から8日目 ゴッド・マザー第三回目の出産6匹。計19匹を出産
7月22日 誕生から10日目 ゴッド・マザー第四回目の出産11匹。計30匹を出産
7月25日 誕生から13日目 ゴッド・マザー第五回目の出産15匹。計45匹を出産
7月26日 誕生からちょうど二週間 ゴッド・マザー第六回目の出産なんと20匹。計65匹を出産
7月28日
午前五時
誕生から16日目 ゴッド・マザー第七回目の出産15匹。計80匹を出産ゴッド・マザーは脱皮をしたらしく殻が脱ぎ捨ててあった。ややスリムになったような気がする。
7月28日
午後八時
  ゴッド・マザー永眠する。
7月30日
午後八時
  ゴッド・マザー永眠した皿に9匹の子供が湧いて出てきました。ただし、今までとは違い肉眼では見えないくらい小さい子供です。卵があったのでしょうか。 

 ゴッド・マザーは、16日間で7回の出産をし、合計89匹の子供を産んだ。生まれた子供たちも3〜5日後には子供を産みはじめ1〜3日ごとに数匹の子供を産んでいった。
 
 
 
 

ちょっと寄り道・・・プランクトンネットを作る

  ミジンコをたんぼや池で捕るとき、はじめは熱帯魚コーナーなどで売っている小さな網を使っていました。これだと、ミジンコをすくったら、洗面器のような口の開いた入れ物の水面にネットを裏返しにして洗うようにして取っていましたが、池やたんぼにいちいち洗面器やバケツを持っていくわけには行かず困っていました。そこで自家製プランクトンネットを考え作りました。
 
用意するものは、半透明のフィルムケースを二個。
   針金のハンガー1個。ストッキング一つ。 ビニールテープ。針と糸。防虫網を4センチ四方程度。工具はペンチとカッターナイフ。以上です。工作時間は約一時間。
 まずフィルムケースを二つとも底をカッターで切ってしまいます。
この底どうしをビニールテープでつなげてしまいます。ビニールテープは出来れば透明のものがあるとベストです。ここでは赤いテープを巻きました。
フィルムケースのふたの一つに穴を明けます。
   針金ハンガーで枠と柄を作りこれにストッキングを縫い付けます。
穴を明けたフィルムケースのふたをストッキングの内側からつなげたフィルムケースにパチンとはめます。
こうしてストッキングのサンドイッチ状態になった部分をはさみなどで切り抜きます。
これで完成です。オタマジャクシやヤゴなどを大き目のものをすくいたくない時は防虫網などをやはりパチンと挟み込みます。
池などで水中をすくい終わったら、底のフィルムケースのフタを明けてミジンコやプランクトンをビンなどに移します。

 
 
 

耐久卵の様子を見る
ミジンコを入れたペットボトルの底を見ると何か卵のようなものが沈んでいました(写真の矢印のもの)。さらによく見るとミジンコのお腹の中に二個の卵のようなものを持ったのがいました。 これが生息環境が危なくなった時に登場する耐久卵(冬卵)なのでしょうか。はたしてミジンコが生まれてくるか観察してみました。
第一日目 2個の丸いものが入ったカプセル5個を観察開始して一日目。1カプセルから2匹のミジンコが生まれる。 これは卵と判明する。
二日目 4匹生まれる。二個のうち一つだけ生まれたカプセルもあった。
四日目 2匹生まれる
五日目 2匹生まれて5カプセル10個すべての卵からミジンコが誕生した
 

つぎに冬眠卵から生まれたミジンコは雌だとどこかに書いてあったので、さらに観察を続ける。
7日目にそれぞれが数匹ずつの子を生んだ。やはり単為生殖する雌でした。
 


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