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   日本航空は保有機のおもりを89年から順次、劣化ウラン製からタングステン製に替え、96年に全機で劣化ウラン製の使用をやめたと報告していた。しかし、 一部で使用していたことが判明した。以下は文部科学省の発表内容。
使 用の許可を要する数量の核燃料物質の保有について

平成18年4月25日

 4月24日午後5時頃、当省に対し、株式会社日本航空インターナショナルから、使用の許可を要する数量の核燃料物質を保有しているとの連絡がありました のでお知らせします。
当省は、発見された劣化ウランが安全に保管されていることを確認するとともに、同社に対し厳重注意し、経緯等について報告を求めました。
 

1. 発見の経緯
   同社の説明によれば、発見場所、当該物質の現状及び経緯は以下のとおりです。
(1)  発見場所
   株式会社日本航空インターナショナル成田整備事業部第三ハンガー(千葉県成田市)
(2)  発見した核燃料物質
  劣化ウラン製バランスウエイト(劣化ウランの量 約14.8キログラム(注1))
注1: 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令第39条に定めるところにより、天然ウラン、劣化ウランについては、ウラン量300グ ラムを超える場合は許可を要す。
(3)  経緯
    同社は、貨物機1機の上部方向舵について、バランスウエイトを点検のため取り外したところ、4月23日に劣化ウラン製のバランスウエイトが使用されてい るものがあることを発見した。その後、当該物質を施錠管理したX線照射室内の保管庫に保管し、24日文部科学省にその旨連絡した。
  同社は、従来使用していた劣化ウラン製のバランスウエイトの全てについて、平成8年までにタングステン製に交換したとして核燃料物質使用廃 止届を提出していたにもかかわらず、劣化ウラン製のものが残っていた経緯等について調査しているところ。
  文部科学省は、同社に対し、当該物質をみだりに人が触れることがないよう施錠管理された部屋に引き続き安全に保管管理するよう指導した。
 

 
2. 保管状況
   当該物質は、上記のとおり施錠管理されたX線照射室内の保管庫に保管されている。この保管状態で、同社が線量を測定した結果は、X線照射室入口で最大 0.3マイクロシーベルト毎時で、バックグラウンド(0.3マイクロシーベルト毎時)と同程度であり、安全上問題のないレベルである。

 
3. 当省の対応(別紙参照)
(1)  同社からの連絡に対し、発見された物質の保管状況を聴取し安全が確保されていることを確認した上で、当該物質を引き続き安全に保管管理するよう指導し た。
(2)  同社に対し、従来使用していた劣化ウラン製のバランスウエイトの全てについて、タングステン製に交換したとして核燃料物質使用廃止届を提出していたにも かかわらず劣化ウラン製が使われていたことについて厳重に注意するとともに、他に劣化ウラン製のバランスウエイトが使われていた機体についても劣化ウラン 製が使用されていないか、経緯等も含め再度詳細に確認し、今後の対応と併せて報告するよう求めた。
 


(お問い合わせ先)
科学技術・学術政策局原子力安全課
原子力規制室長 小原 薫
電話: 03-6734-3926(直通)
03-5253-4111(代表)(内線3910)
 



(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)


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(別紙)

平成18年4月25日

株式会社日本航空インターナショナル
 代表取締役社長 新町 敏行 殿

文部科学省科学技術・学術政策局
  原子力安全課
   原子力規制室長 小原 薫

劣化ウラン製バランスウエイトの管理の徹底等について
 貴社成田整備事業部第三ハンガーにおいて、劣化ウラン製バランスウエイトが発見された件について、従来使用していた劣化ウラン製の全てについて、タング ステン製に交換したとして核燃料物質使用廃止届を提出していたにもかかわらず劣化ウラン製が使われていたことについて厳重に注意するとともに、以下の対応 をとることを求める。

1.  発見された劣化ウラン製バランスウエイトについては、安全に保管管理すること。
2.  他に劣化ウラン製のバランスウエイトが使われていた機体についても劣化ウラン製が使用されていないか、経緯等も含め再度詳細に確認し、今後の対応と併せ て報告すること。


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