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  ミミズはなぜ嫌われるか
別のコーナーでミミズを平和と環境のシンボルにすることを提案していますが、一 つ大きな障害があります。それは、ミミズが嫌われていることです。昼のTVニュースでミミズのアップは放映できないと誰かに言われました。
なぜ、嫌われているのだろうか、なぜ気持ち悪がられているのか考え・調べてみることにしました。
ミミズはなぜ気持ち悪がられるか                2010年秋
以下の構成で進める予定ですが掲載する順番はちがいます。
1 個人的経験の整理
2 文献調査
3 アンケート
3´ 国や民族により感じ方は違うのか
4 実験
5 考察
1 個人的経験の整理
 現在、私は犬や猫、鹿や狸を見ても気持ち悪いとは思わないが、ヘビやミミズ、ナメクジ、コウガイビル、毛虫、大き なイモムシは気持ち悪い。
 カブトムシなど大方の甲虫類は平気でつかめる。ホタルは素手でつかめても、ゴキブリはつかめない。黒光りする点ではオサムシなども同じなのだが。
 ただ、ホタルを顕微鏡で横から見たらゴキブリそっくりで吐き気がした。
 ミミズは、子供のころは平気で素手で掴んでいた。しかし、大人になって、気がついたら気持ち悪くて素手では触れなくなった。
 ミミズは以前ほど気持ち悪いことはなくなったが、実は素手ではほとんど触らない。
 十数年前だがコウガイビルを最初に見たとき、ゾッとして本当に気持ち悪かった。何度も見るようになり最近は平気になった。でも石をどけて、そこにいたり したときには仰け反るほどではないが気持ち悪い。
 BBCの番組でウズムシやミミズの映像が映し出されていた。大写しの彼らは普通の生き物だった。美しささえ感じる。頭の片隅に気持ち悪い感が覗いていて も、それを上回る圧倒的にリアルな映像があった。どこが違うのか。ともかく現在の苦手を似たものと並べてみました。
 
平 気
気 持ち悪く苦手
気 持ち悪い理由
バッタ カマド ウマ 見慣れた形と違う
玉虫や ホタル ゴキブ リ 汚いものと思うから
羽が黒光りして汚そう
カタツ ムリ ナメク ジ 粘液を出すから
アリ ツチハ ンミョウ アリよりは腹部が異様に大きいから
ヤモリ やイモリ トカゲ 襲われそう
毒がありそう
テント ウムシ カメム シ 悪臭がするから
ヤスデ ムカデ やゲジゲジ 喰われそう
プラナ リア
コウガ イビル 見たこともない形だから

そして上記の表を照らし合わせながらミミズの場合の気持ち悪さの理由を解析すると
■未知なものに対する警戒から、理由無く恐怖や嫌悪を感じる
■ 毒や病原菌を持っていたり 寄生虫がいそうであったりして人に害がありそう
■ ヘビやムカデなどの他の危険な動物に似ている
■ 骨格(内・外骨格)・体表(粘膜、ウロコ、棘)などの形態や動きが人間など哺乳類と異なる=異種のものを警戒する。ミミズの場合は、手足が無い、目が無 い、クネクネした動き、体表に粘液を出し、ヌルヌル感があるなど。
■外観が人や動物の内臓を想起するから。
■悪臭がする。
2 文献調査
Susan Mineka (Northwestern University )
ヘビに対する恐怖は観察学習による。
実験室で生まれ育ったサルはヘビを怖がらない
別のサルが何かを怖がっている様子を見せながら同時にヘビを見せるとヘビに対する恐怖が学習される。
野生の場合にはこのような経験をする確率が高いと考えられ,ほとんどのサルはヘビを怖がる。
ただし同じ方法で花を見せても花への恐怖は学習されない。
ヘビへの恐怖の学習には、何らかの遺伝的ベースがあることを否定できない。

Carl Gustav Jung 1875-1961)
蛇や爬虫類などに「気味悪さ・不気味さ・恐怖」を感じるの は、経験による学習ではなく、遺伝的に伝わり構成された「深層心理的な観念・感情複合」のためである。
3 アンケート
3´ 国や民族により感じ方は違うのか
4 実験
5 ドラえまんの考察・結論
「怖い=恐怖感と気持ち悪い=嫌悪感とはリスクレベルの違いで、怖いは即、生命の危険を感じる反応で、気持ち悪いは 警 戒の反応。」

「恐怖や気持ち悪いと思う反応は、遺伝的にそなわった生命維持のための予防反応機能の結果である。この反応回路は人が生まれて以降、死ぬまで積み重ねら れる知識や経験で、補強されたり修正されていく。」

「反応回路を作動させる対象は、初期設定ではヘビや猛獣などで固有の形態や行動に限定されているが、親の行動・反応からの学習のように後天的に社会的情報 から設定される 場合がある。ミミズのリスクの初期設定は低く設定されている。ミミズへの反応は後天的 な影響が大きい。」

「幼児期、特に2から3歳時に、親を主とした社会的環境からの学習はたった一回の情報でさえインプットされる」

以上から、ミミズが気持ち悪がられるなくなるためには、ミ ミズに関する正しい知識とミミズに接する機会を多くすることにあるようです。 

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