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これが光るミミズだ! 
広島の光る ミミズ


 2002年5月21日 成蹊高校の石塚小太郎先生のところでプロ写真家の皆越ようせいさんと一緒に広島から送られてきた、ホタルミミズが光っているとこ ろを初めて見ることが出来ました。 
 何 もしないでいると光らないのでつついて刺激する と青白く光ります。数珠繋ぎに なった二本の光の線になっていて、光る体腔液が出てきているようでした。このミミズは体長3〜4センチ、幅約1ミリメートルの小さなミミズで、環帯の場所 はよく見るシマミミズやフトミミズの位置とは違っていました。残念ながらデジカメで光っているところの撮影には成功しませんでしたが半透明の様子や環帯の 位置、剛毛の様子がわかります。

撮影doraeman
 茨城のホタルミミズ  2003年12月21日 
現場 は野球場でその一部のコーチスボックスやバッターサークル付近など約100平 方メートルは、厚さ約5センチほど砂が敷き詰められてい ます。ここに光るミミズがいて、多く発見できるところでは140平方センチメートル、深さ4.5センチの砂の中に21匹がいました。1平方メートルあたり では1500匹ほどになります。周りの山の表面の土はいわゆる赤土で、グランドの内野域や砂の下はこの土で、何れも光るミミズはいませんでした。
 ミミズは体長 2センチほどで環帯はあるけれど成熟しているようではありませんでした。


 調査に協力していただいた皆様ありがとうござ いま した。

▼深 さ2〜3センチほど砂の中から姿をあらわした光るミミズ
  
▼茨城県で光るミミズのいる土  、PH7だった。
  
▼兵庫県のホタルミミズのいる土

▼茨城県で光るミミズのいる場所の道路をはさんで反対 側、 
10メートルほどの距離の土。北関東ローム層のようです。 
ミミズのいた砂地の下も同じ土と思われます。
《チョッ ト寄り道 土について》


ホタルミミズに限らず、ミミズの生息地の土の様 子を表現するとき、ど のように言 えばよいのか迷うことがあります。たまたま、身近に土木や建築の仕事をしている人たちの会話で出て来る土の名前と、農業、林業関係の人たちの間ででてくる それが一致しないのです。 
そこで、調べてみました。基本となるものには 
●国土調査(土地分類基本調査)の分類法 
●アメリカの土壌タクソノミーやFAOの分類方 式 
●日本ペドロジー学会による「日本の統一的土壌 分類 体系?第二次案(2002)」 
各専門の分野ごとでは 
●農業用には「農耕地の土壌分類―土壌統の設定 基準 及び土壌統一覧表」(平成7年 改定) 
●農業と牧畜では北海道方式「北海道農牧地土壌 分 類」 
●林業では林地を対象とした林野土壌分類 
●土木・建築(土質工学)では「日本統一土質分類」 
●地質学では「砕屑性堆積物の粒度区分」 
 さて光るミミズの見つかった土は何と表現しま しょ うか。実際に手にした2ヶ所の 土の様子を表現すると。まず、色は湿った状態では黄土色やベージュの明るい色。乾くと白っぽくなる。砂が多くその他、泥とその中間のもの(シルト)が混 じった状態で、土性三角図表(国際土壌学会法)でいう壌質(砂壌土、壌土、シルト質壌土)に該当しそうです。 
 岡山から寄せられた情報では、光る ミミ ズがいる土は壌質では無く砂礫 で花崗岩由来の「まさ土」だそうで、保水性に乏しく冬だけ湿っているということです。 
 岡山や兵庫、茨城の何れも、畑や林の表土のように有機質に富んだ物 では なく砂混じりの土のようでした。しかし、その後、同じ兵庫でも林道で腐葉土の豊富な場所で発見されたり、畑の中に発見されたりして、ホタルミミズが発見さ れる土壌は様々であるということになってきました。

8 虫メガネ で見たホタルミミ ズ


(2003年12月中旬) 
兵庫県で採取した生きているホタルミミズをゆっ くりと顕微鏡で 観察してみました。 
全長は2センチほどのものから4センチ ぐらいまで、5〜6月のころほ どまだ成長していないようです。 
肉眼では淡い黄色に見えていた体も顕微 鏡でのぞくと、ほとんど透明で す。 
全身に走る血管や3対ある側心臓に赤い血液が循 環して いるのがよく見 えます。 
12 月のミミズには環帯は出来ていても5月〜6月のころのように黄色 にはなっていなくてまだ半透明です。 
驚いたのは、腸の中身です。ホタルミミズを採取 した場所は、マサとよ ばれる花崗岩が風化した山砂を敷き詰めたところでしたが、ミミズの腸の中に見えるのはこのマサの細かいものでした。中には黒雲母も見えてキラキラ光ってい ました。肛門から出ている糞も砂です。

 
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