日本国内にいる発光するミミズは、今のところ2種いると言われています。
そのうちの1種類はホタルミミズといい、体長は約40mm、幅は わずか1〜1.5mm、体は 淡黄白色で環帯以外は半透明、
世界 に広く分布しています。日本では最初神奈川県大磯で発見されましたが、その後、
静岡県・埼玉県・福島県・新潟県・香川県から採取されました。
「芝生に生息するような場合、夜そこを歩くと、芝生上に点々とホタルのような発光がみられる。」ということでした。(北
隆館 「新日本動物図鑑」(上)より)
これは是非見つけてみたいということで、ウェ ブで発見情報を寄せてもらうとともに、鎌倉市内の自宅近くのフィールドを探してみまし
た。探し始めて、6年目にやっと見つけることができました。
そして、このホタルミミズの発光の生理的なメカニズムや成長過程のいつから光
るのか、どのような理由からまたはどのような適応的価値があるのか、進化 の過程で、いつから獲得したのかなどしらべています。
もう一種類の発光するミミズはイソミミズといい、こちらは海辺の砂浜にいるということで、思い出しては探すという程度でしたがやっと13年目にやはり地
元の鎌倉七里ヶ浜で見つけることができました。
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ホタルミミズ発見の歴史
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ホタルミミズは1837年にフランスのDugesにより最初に記録され、その後インドや南アフリカなどで記録されましたが日本では以下のような経過をた
どっています。
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1 1934年(昭和9年)〜1955年(昭
和30年)の21年間 (初期発見期)
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1934年神奈川県の大磯で発見された国内初
記録から昭和30年の20年
あまりの期間でわずか十数件の報告しかなかったため、ホタルミミズは国内では希少種のような扱いがされていました。
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2 1956年(昭和31年)〜1998年
(平成10年)の42年間 (空白期)
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この40数年間ホタルミミズに関しては目立っ
た発見記録がありませんでした。ただ、正式な記録がないだけで実は天体観測をしている人や、夜間に農作業をしていた人、ヒメボタルの幼虫を探している研究
者などが、発光するミミズを目撃していたことが後でわかりました。また、場所によっては不吉なものということで、いること自体を秘密にしている地方もあ
りました。
最近、わかってきたことですが、ホタルミミズは単為生殖で子孫を増やしていることから、生息環境の変化に対応できない場合があり、遺伝子タ
イプによって盛衰があるのではという考えがあります。空白期は、あるタイプのホタルミミズがいなくなり、その後別のタイプのホタルミミズが入ってきたとい
うことも考えられるようです。
別の要素としては、全国のミミズ分布の調査を行っている研究者も、たまたま陸生大型ミミズのなかでもさらに大きいフトミミズが主な調査対象となっていて
体長が20〜40mm程度の小さいミミズは見逃されていた可能性もあります。またホタルミミズは主に冬にしか姿を見せないことからミミズの調査はどうして
も夏季に多かったと思われます。昭和初期にくらべ照明の発達により夜間も明るくなり、ホタルミミズの発光による発見の機会も減ったと思われます。
しかし、2000年頃からインターネットの発達により、不思議な発光ミミズを見たとき検索により情報の交換ができるようになり、発見と確認ができホタル
ミミズの生態が徐々に明らかになってきています。
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3 1999年(平成11年)〜2006年
(平成18年)の7年間 (発見再開期) |
希少種であっても、どんなところにいて、どの
ような時目撃されているかなどの情報を集めて整理すれば探し方がわかるのではと、ホームページで目撃情報を募集してみました。するとちらほらと情報が寄せ
られてきました。また、知らせてもらった場所の、研究者による調査も可能となりました。
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4 2006年(平成18年)〜2009年
(平成21年) (探せば見つかるようになる)
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ドイツに留学しているミミズに寄生する線虫の研究者が一時帰国した時
に、日本でミミズを採集したいということで、2006年11月、鎌倉のいつものフトミミズの観察・採集場所でミミズを採集していた
ところ、ホタルミミズに似たミミズをみつけました。以前も似たミミズを捕まえ、専門家に同定したもらったところ別種だったので、今回もと思いましたが、念
のため、帰って暗がりで観察したところなんと発光したのです。
ホームページに寄せられた情報は、当初、真砂土で発見されたものが多かったため、この土のある場所をさがしていました。鎌倉の初発見と、他の場所での情
報が集まるにつれ、ある共通点に気が付きました。多くの見つかった場所の後背には山や林があるということです。そこで、この山の際を探してみました。そし
て、この方法で鎌倉など神奈川県内や静岡などでホタルミミズを発見し身近にどこにでもいることがわかりました。
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5 2009年(平成21年)〜2014年
(平成26年)2月現在 (見付ける方法がわかり研究者による発見が相次ぐ)
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2009年12月奈良県の高校の教師の吉田さ
んが自宅庭でホタルミミズを見つけ、このホタルミミズが糞塊を作ることを発見しました。この発見により、ホタルミミズ特有の大きさの糞塊を探せばそ
の下にホタルミミズがいることがわかり、発見することがさらに容易になり、発見が増えました。
さらに発見が加速されたのが発光生物の発光メカニズムとその進化が専門の 大場博士が名古屋大学のキャンパスをかわき
りに日本全国各地で発見し遺伝子解析を行い新たな発見がされています。
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6 初記録から現在までの発見件数のグラフ
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7 日本国内初発見から現在までのホタルミミズの発見場所の地図
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8
ホタルミミズは校庭が大好き?
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9 世
界のホタルミミズ
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ホタルミミズの生態
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● 発光について
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● どんな時に
光るのか (未掲載)
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● どこから光る液がでてくるのか (未掲載)
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●
ホタルミミズはどこにいるの(山、畑、林、土・砂・腐葉土?どこ)未掲載
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ホタルミミズの見つけ方 |
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ホタルミミズでまだわかっていないこと
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ホタルミミズ以外の光るミミズ イソミミズ
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