そもそも、ミミズにはまだわかっていないことが沢山ありますが、ホタルミミズもわからないことが沢山あります。たとえばいくつか挙げてみると・・・・
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◆国内でまだ発見されていない県がある!! |
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ちょっと前までは国内では希少と思われていたホタルミミズですが各
地で発見されるようになり、また身の回りのどこにでもいるということがわかってきました。それでもまだ生息が正式には確認されていない県がたくさんありま
す。たとえば、 山
梨県や群馬県、栃
木県、九州のほとんどなどです。毎月、県内初発見が続いています。早い者勝ちです。
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◆ミミズって夏によく見かけるのに、どうしてホタルミミズは
冬に活動するの?
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糞塊を出すなど冬に盛んに活動し
ているミミズはホタルミミズぐらいなものです。どうして冬に活動しているのでしょうか。謎です。起源は南アメリカの南部といわれていますので寒いところな
のかもしれませんが。一方、温帯や亜熱帯地方に住むというSims,R.W.
&
Gerard,B.M. (1985) の文献もあります。もともと南半球に住んでいて南半球の夏に活動していたものが同じ時期でも北半球
では冬なのでそのままこの時期に活動しているのでしょうか。それとも、南半球でもやはり冬に活動しているとすると、寒さに適したミミズなのでしょうか。た
しかにコオリミミズと言って氷河に暮らすミミズがいるくらいですから。アロエの花が真冬に咲くのと同じなのでしょうか(アロエはオーストラリアではやはり
冬の8月に花が咲いているそうです。)
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◆ホタルミミズっ
て、どうやって殖えるの 交尾するのか、単為生殖なのか?
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ミミズにもいろいろな殖え方があ
ります。あるものは、分裂して殖えたり、あるものは雌雄同体なのに交尾して精子をやり取りして有性生殖するものや、精子をもらうことなく雄の生殖器官も欠
損していてメスの生殖器官だけで単為生殖するものなど色々です。それではホタルミミズはどうなのでしょうか。体の各器官の変異(無かったり数が違ったり)
があったり、遺伝子解析の結果、国内で見つかるホタルミミズは、ほぼ同じような遺伝子を持っていることなどから単為生殖という説が有力ですがまだ実際に飼
育して確かめた
人はいないようです。
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◆ホタルミミズの卵はどんな形?⇒2014年6月 卵胞が見つかりまし
た。詳細はまとまり次第お知らせします。
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大体の生活環、 一生が
どのようなものかは、わかってきましたが、その環がつながらない一か所がありました。それは卵の状態、ミミズでは卵包と言っていますがこれが確認
さ
れていませんでした。 フ
トミミズの卵包は、
ほぼ真ん丸で、ツリミミズのそれはラグビーボールのようだったりします。ホタルミミズは、その中間の形のような気がしていましたが、果たしてその
通りで、写真の3つの卵のうち、左の二つがホタルミミズです。
卵包の大
きさは、環帯から出た粘液で卵の包は作られますので、体の直径の1mm〜1.5mmと同じかそれより小さい可能性があると想像していましたがやはり1mm
弱の大きさで、とても小さく見つかりにくいのも無理もありませんでした。
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◆なぜ光るの、光る理由は?
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他の発光生物同様、なぜ光るの
か。何千種というミミズの中でホタルミミズなどわずかの種類のミミズだけが光るその理由は?その行動や進化の過程、化学的な分析など様々な角度から追及す
るのでしょうが、たとえばオサムシやヒメボタルの幼虫、カマドウマ、ケラなどのミミズを食べる動物が、ホタルミミズの発光によりどのような行動をとるかな
どの実験はすぐにでもできそうです。
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◆光
る仕組みは?
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発光のメカニズムについては、ル
シフェリン−ルシフェラーゼ反応だということまではわかっているようですが、そのタンパク質や酵素の正体は、まだわかっていません。進化の過程で、どのよ
うに発光を獲得してきたか、新発見が続きそうです。
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◆発
光液は体のどこから出てくるの?
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たとえば、フトミミズの場合、背
中に点々と背孔という穴があり、ここから粘液が出てきます。ところがホタルミミズには背孔がないとされています。では一体粘液はどこから出てくるのでしょ
う。また、口や肛門からも発光粘液を出すといわれまた、実際にも出ているように見えますがでは、体内から出るとしても、一体、体内のどこにそのような器官
が
あるのでしょうか。
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◆光ってい
るのは粘液細胞なのか、単なる液なのか? |
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たしかにホタルミミズから出され
た粘液が光ってはいますが、それは細胞が光っているのか、それとも細胞が壊れて光るのか、それともただの液が粘液に絡まっているのかよくわかりません。
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◆発光し終わった液をまた発光させる方法は
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発光は短いときでは数秒で消えて
しまいます。でも息を吹きかけると再び少し光るとか、指先でこすると光るとか、ぬらすといいとか、フリーズドドライしたホタルミミズに水をかけて戻すと光
るとか、ある化学物質をかけると光るとか再発光のさせ方はいろいろありますが、さらに画期的な方法があるかもしれません。
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◆傷つけたり、刺激したりする以外
に発光することはないの? |
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ホタルミミズの発光は、傷つけら
れたり刺激されたりとネガティブですが、ホタルのように異性を呼ぶとか、狩りのためとかポジティブなことはないのでしょうか。シマミミズなどは交尾すると
き粘液をたくさん出します。それで互いの体を縛りつけたり、その液が卵の包になったりします。生殖にかかわる液ですので、ホタルミミズも何か自発的に光っ
ているときがあるかもしれません。
文献では、星のように沢山光っていた(※1)とか、洞窟内で輝いていた(※2)、雨に打たれていたり地上を這っていたりしたとき(※3)などの記述もあ
りそれが傷つけたり脅したものでないとすると自発的な発光の可能性がありま
す。
※1 採集と飼育
18(7),1956-07 日本科学協会 発光ミミズの分布と観察 島田健一
※3 採集と飼育 16(10),1954-07
内田老鶴圃発行 ミミズの発光 中村浩
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