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工房“もちゃむら”のなんでも研究室  
ミ ミズあれこれ ミミズの研究


光るミミズを探す
発光について
ホタルミミズはなぜ光るのか
適応的理由 は?
  発光する生物の光る理由は、コミュニケーションであったり、捕食者を驚かしたり、見つからないようにする ためなど、それぞれ理由が考えられています。
 ではホタルミミズは、なぜその体液が光るのでしょうか。今までの説や発見されている状況・粘液の出し方などから理由を考えて みましょう。
以前から言われているのは「驚かす」といものです(e.g. Gilcrist. 1919 ;Jamieson and Wampler. 1979.)
夜行性のホタルミミズが、捕食者に 襲われそうになった時、暗闇で明るく光る液を出すことにより驚かすという防御のメカニズムということです。
 襲われるのは、ホタルミミズだけではなく、他のミミズも同じなのになぜホタルミミズが光るのかの謎が残ります。
ホ タルミミズの発光は、地中の肉食動物を驚かすためという説(Vol. 66, No. 4 (December 1983)     Sivinski, John and Forrest, Tim  Florida Entomologist)
 地表の肉食動物(クモ)で実験し たら、ホタルミミズを捕食し、口が光る粘液だらけになっても驚く様子はなかったが、地中の肉食動物のケラ(モグラコオロギ)で試したら、後ずさりしたとい うことです。そのスキに逃げるという説です。これもミミズ一般ではなく、なぜホタルミミズが光るのかはわかりません。
光るのはトカゲのシッポ切りと同じという説(ドラえまん説)
 室内でホタルミミズを刺激した 時、粘液を出すが、それは数秒してか ら光る。そうして出した光る粘液の点が最も明るい。
 粘液で光る点を残し、ミミズ自身は逃げる。この時のスピードは意外と速い。
 こ ちらの動画参照
 夜間の野外での経験でも、光る場所にミミズがいない場合が多い。
 ホタルミミズはフトミミズの地中種と同様、拡散(dispersalまたは分散)つまり生まれた場所あるいは現にすんでいる場所から動いて散らばり、種 の分布域の拡大のため雨後の夜間に地表を移動する。
 そして、オサムシ・シデムシ・カマドウマなど地表の捕食者に遭遇したとき発光粘液を出し、発光する点に捕食者の気を引き付け、混乱させその間に本人は逃 げるのです。この特技があることもあり、ホタルミミズは世界種として世界中に広がり生息しています。
 ということで仮説としては、発光は捕食リスク軽減の手段と考えられます。

補足1 実は、他のミミズの多くも捕食者に襲われたり、刺激した時、粘液を出します。釣りに使うシマミミズが釣り針に刺した時、黄色い臭い液をだすのを経 験 した人もあると思います。また、液を噴射するミミズもいます。このようにミミズは危機に遭遇したとき液を出します。または、出てしまいます。この液がホタ ルミ ミズの場合、光るということではないかという仮説です。

補足2 ある種のミミズは、オサムシなどの捕食者に襲われたとき、トカゲのシッポ切りのように体の後部を自切します。切り離され て残った後部は、しばらくクネクネとまるでミミズがそこにいるような動きをして捕食者の気をひきつけたり、後部を捕食者に提供することにより本体は無事逃 げることができます。
 ホタルミミズの場合は、何らかの理由で自切ではなく、光ることを選択したわけです。
 フトミミズなどでは尾部をピンセットなどでつまむと、上手に自切しますが、ホタルミミズを発光させるため尾部をピンセットでつまんでもなかなか自切しま せん。このようにホタルミミズはあまり自切がうまくありません。そのかわり光る粘液を出すのではということです。ではなぜ自切がうまくできないのかの謎は 残ります。おそらく、深く入り組んだ地中を潜れる ホタルミミズの体節の構造が自切には適さないとも考えられますがあくまでも想像の域をでません。
一 匹が光ると他のミミズも光ったようなことがありました。光は、警戒信号であるのかもしれません。(ドラえまん説)
ミミズは、弱い光に反応する視覚細胞があるらしいので、地表で捕食者に襲われたとき光る粘液を出すことにより仲間に警戒するように伝えているのかもしれま せん。
上記の警戒警報のように通信手段など他の理由も考えなければ なりません。というのも戦前間の報告に、刺激したり傷つけたりする以外でも発光したというものがあるからです。地表を這っていたり、雨に打たれているとき に光っていたというものです。
 では、そんな時、なぜ光っているのでしょうか。これは、もうすこし発光の状況を確認することから調べなくては推定すらできません。
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