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工房“もちゃむら”のなんでも研究室  
ミ ミズあれこれ ミミズの研究


光るミミズを探す

ホタルミミズの見つけ方


ホタルミミズの見つけ方
ホタルミミズは人があまり活動 しない冬の夜に活動し、また体長が3、4センチ前後と小さいことからか、なかなか見つからないミミズで、めずらしいものとされていました。しかし、 研究が進むにつれ、どこにでもいるようだということがわかってきました。そして、そのことを裏付けるように、各地のいろいろな場所で偶 然ではなく、探して見 つかるようになりました。その見つけ方の紹介です。
日本のどのあたりにいるのか
 本州、九州、四国、八丈島で発見されています。
いつ頃見つかるか
 
毎年、冬が始まる11月から翌年の5月頃の間に見つかります。
どんな場所で見つかっているか
 庭、公園、校庭、野球グランド、河川敷、駐車場、林道、畑、ビニールハウス内、プランター内、道路の植え込み、植木畑など様々なところで発見されていま す。
 外国の例では、廃坑や植物園、コンポストの中、木くずの中などでも発見されています。
 ようするにどこにでもいるということのようです。
ミミズの大きさ・色と形
 大人のミミズで太さが1ミリから2ミリメートル、長さが3センチから4センチほどで大きいものでは8センチ近くのものもいます。全身乳白色をした半透明 で時に は、赤っぽかったり茶色だったりします。また、大人になったホタルミミズの環帯はピンクがかったオレンジ色をしています。下の写真は、6月に見つけた環帯 が膨らみピンクがかったオレンジ色になっているホタルミミズ。

光り方
 傷ついたり、驚かしたりしたとき体液が出てそれが黄緑色に発光します。
昼間は、回りが明るすぎて発光してもわかりません。だから、いままでは夜、偶然、人が踏んだりして発光した 時に見つかっていました。しかし、昼でも見つることができる方法があります。
見つけ方 (その1) 山や林の際(きわ)の枯葉がたまったようなところ
 他の種類のミミズの場合と同様、ホタルミミズを見つけやすい場所として、道路と山や林との境に枯葉などがたまったところがあ りま す。移動してきたミミズが、それ以上、移動先がなく密集していて、また場合によっては、そこて゛繁殖しているところです。このため他の場所より見つけやす くなっているのです。さらにその場所が水分過多でもなく乾燥も していなくて他の種類のミミズや、トビムシなどの土壌動物がいればホタルミミズもいる可能性があります。
 この場所には、大きさや形がホタルミミズに似たミミズがいます。フクロナシツリミミズとカイヨウミミズというミミズです。いずれも最終的には光るかどう かで見分けるのが手っ取り早そうです。
 さらにもっと確実に見つける方法があります。それはホタルミミズの糞(フン)を見つけることです。
見つけ方 (その2) 糞で見つける
 ホタルミミズは地中に穴を掘り、地表に糞を積み上げます。でも、ホタルミミズは普通に見かけるミミズよりはだいぶ小さいため 糞も小さく一粒の大きさは1 ミリ以下です。 
それが数十個積まれ塊(カタマリ)になっています。これを糞塊といっていますが、この糞塊の直径と高さは最も大きいもので20ミリメートル×15ミリメー トルくらいですが、高さも幅も3から5ミリ メートル程度と小さいものを多く見かけます。ただし、雨の降った直後では糞塊が崩れている場合が多く、見つけにくくなります。
  糞塊は、藪の中にもあるようですが、その中に入って探すのは大変です。そこで右の写真のように草の間に土が露出しているような場所で探します。
 そして、その糞の下2、3センチメートルの土を掘るとその中にホタルミミズが見つかります。また、糞の横に小石がある場合はその下にいることがありま す 。下の写真で白丸の中にあるのがホタルミミズの糞、新しいと右の糞のように湿っていて黒っぽくなっています。

糞の見分け方
 一粒の糞の大きさや太さが左の写真のように2、3ミリメートル以上あるものはホタルミミズよりは大きい他の種類のミミズの糞 です。
  しかし、ホタルミミズの糞くらいの大きさのよく似た糞や土の塊を出すミミズや他の生物がいます。
 一粒の大きさが同じ程度のものには、アリが地表に出した土がありますが、アリの場合は巣穴の出入り口に大量に出しますので大量にあればホタルミミズでは ないことがわかります。
 また、ホタルミミズの糞の一粒 は、ほぼ真ん丸(よく見るとコンペイトウのようでもありますが)ですが、やや長細い糞(下の写真の白丸の中)をだすのは別種の褐色ツリミミズなどで す。黄色い丸で囲ってあるのがホタルミミズの糞です。

 また、紛らわしいものに、甲虫類の幼虫のフンがあります。よく見ると、糞の一粒一粒の大きさがまばらで、丸くありません。さ らに中央には穴が開いています。しかし、このようにきれいにわかるのは珍しく、わかりにくいときは掘ってみるしかありません。
 このほか、ハエの仲間の幼虫も似たような土の塊を出します。




似たミミズがいるので光らして確かめる
 下の写真には、3匹のミミズが写っていますが、一番下のミミズは、頭部が赤く、ややと んがっていて、口先から環帯までの体節が20以上あり、尾部が黄色いためツリミミズと分かりますが、上の二匹は、どちらかがホタルミミズで、もう片方がカ イヨウミミズですが一見しただけでは判別できません。

 さらにこの二匹を拡大したのが 下の写真です。赤っぽいのと、そうでないのとがあります。大体は、カイヨウミミズのほうが写真下側のミミズのように血管が鮮明で赤っぽく見えますが、ホタ ルミミズも中にはそのよう なものもいます。したがって、外観だけでは区別がつきません。そこで発光させてみることになります。


【光らせ方】
  暗いところで、ピンセットなどで尾部をつぶさない程度に軽くつまんで刺激すると体液を出します。すぐに出なくても、じっと待っていると出る場合がありま す。これが光ればまずホタルミミズに間違いありません。数分間 光っています。子どものミミズでも光ります。倍率の低い顕微鏡や実体顕微鏡で観察すれば少しの発光でも確認できます。
 針で、体表をつついて体液を出させることもできますが、これですとミミズが弱ってしまいます。
 ろ紙やティッシュペーパーをぬらしてその上で光らすと長く光っています。乾燥すると消えてしまいます。水分と空気の両方に触れていると長く光るようで す。体液(粘液)は尾部だけではなく全身こどこからでも出ます。糞も光るように見えますが、実際に糞と一緒に肛門からも光る粘液がでるのか、それとも最後 尾 付近の体表面から出た光る粘液が糞にまとわりついているのかよくわかりません。同じように口からも光る粘液を出したように見える場合がありますが同じよう なことでよくわかりません。文献では両方から出ると書かれています。
  ミミズは尾部をトカゲのように自切できますので、誤って尾部を切断しても生きています。ただ、ホタルミミズはあまり自切が上手でなさそうな ので切れそうになったら、思い切って切断したほうが良いようです。
飼育方法
 採集したところの砂や土を通気性の良い容器に入れます。エサは特別なものはいりません。砂や土に含まれている有機物を食べています。最も気を付けなけれ ばならないのは、乾燥と水浸しです。特に乾燥は厳禁で、死に直結します。 なるべく大きな容器ほど安定して飼育できます。
 不織布など目の細かい袋に土と一緒にホタルミミズを入れて日陰で雨の当たる処に置く飼育法が楽に育てられます。また、最も簡単なのは植木鉢やプランター に土と腐葉土を入れ、ここにホタルミミズを入れます。意外と逃げ出さないものです。あとは草花と同じです。排水はしっかりしておき、乾燥しないように水や りをします。これで二世代の飼育に成功しています。

参考になる記事
実際にホタルミミズを探した時の様子が紹介されていて、どのように探せばよいか、よく似たミミズや糞にはどんなものがあるかなど大変参考になる記事があり ます。デイリーポータルZというサイトに玉置豊さんがレポートしています。
http://portal.nifty.com/kiji/140410163801_1.htm
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