真冬なのに出てきた
大きいミミズ |
北隆館「新日本動物図鑑」(上)記載の特徴と一番近いの
は
のらくらみみずPheretima
megascolidioides (GOTO et HATAI)
最新の学説では
Metaphire megascolidioides (Goto &
Hatai, 1899) |
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●2000年1月24日(月)
真冬と言うのに大きいミミズが道に出ていました。
仮りの名を(仮)オオフトミミズとします。環帯は14節〜17節にかけてのようです。長さは縮んだ状態で17〜18センチメートル。伸びると25センチ
メートルぐらいになります。
太さは直径12〜13ミリほど。背面はピンクで上面は濃い褐色。頭のシルエットは縮んだ状態ではティースプーンの形をしていて、お尻は丸く終わっている。
ただ伸びたときは、シマミミズのように頭尾とも先鋭な形になります。
さて本当はなんと言うミミズでしょうか。
●2000年4月30日
大学で、神経生物学を専攻し、ミミズの心臓神経系についての研究のためフトミミズ科の太いミミズを探している方と一緒に見つけました。そこは地方都市の
街中の学校の庭でした。
大きな石を起こすと、その下にちょこんと頭だけ出した(仮)オオフトミミズがいるではないですか。隣の石の下にもいるようで、タイミングをはずすと硬い
土の中に掘ってある穴の奥深くに逃げてしまいます。そこらじゅうにいそうでした。
山のしかも土の下の深いところにいるとばっかり思っていた(仮)オオフトミミズが、あろうことか街中の学校のさほど広いとは言えない中庭にいるなん
て・・・・・
ショックで写真を撮るのを忘れました。
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●2000年5月3日
(仮)オオフトミミズをじっくり見てみました。まずぶら下げてみた長さは、なんと30センチ以上になりました。太さはちぢんだときで15ミリメートルほど
伸びたときは6〜7ミリメートルになりました。
剛毛(体表にはえている硬い毛)は背面から側面、腹面まで全周に何十本も生えていることからフトミミズ属には間違いなさそうです。
環帯(白っぽく首輪のようになっている部分)は、14〜16体節にあり、腹のほうを見ると環帯より尾っぽ側に下の写真のような5対の突起がありました。
特に真中にある3番目の突起は大きくなっていました。
●2000年11月18日(土)
このミミズはオオフトミミズなのかノラクラミミズなのか決着をつけようと、詳しく観察してみました。外観の結果は左の図の通りで、比較を下の表に書きま
した。
結果は、受精嚢孔の位置と数はオオフトミミズと一致し、雄性生殖孔の位置や性的乳頭状突起はノラクラミミズに近いなど、さらにどちらか判らなくなりまし
た。とりあえず、当ホームページではオオフトミミズとします。 |
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●2001年4月7日(土)
4月2日の夜、歩道を横切っていた大きなミミズを救出しました。どうやら、仮名オオフトミミズです。体長は写真の通り、自然の状態で32センチメートル
ほど、伸びると40センチ近くになりました。オオフトミミズなのかノラクラミミズなのか決着をつけるため、もういちどじっくりと観察しました。受精嚢孔を
よく見ると5つありました。性的突起は片側は20体節目までしかありませんでした。これで外形からは図鑑のノラクラミミズが一番当てはまることになりまし
た。このミミズはノラクラミミズに似ていると決定します。 |
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