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巣立ち後72日経過した若鳥が単独行動での採餌中のため周り
に聞き手があるわけではないが様々な音で鳴いていた。
スペクトログラムの形からは、成鳥のような完全な形の要素音ではないが要素音の組み合わせによる単語は推定できるレベルになっているものもあった。ただ
し緊急時に発する要素音の/Hi/や/G/についてはほぼ成鳥と同じ形と組み合わせになっていた。/Hi/や/G/は日本各地のシジュウカラの発音に共通しているものがあり、中国のシ
ジュウカラの音声にもみられる。また近縁種のヤマガラやコガラにも似た要素音があり多くは警報に使われている。また、若鳥が最も早く正確に発声する音がこ
れになる。したがって、この音は学習によって獲得されるので
はなく、本能的に発せられる生得的発声 (Innate
vocalization)と思われる。(図−51)
多くの不完全な単語を羅列する鳴き方をすることがあったが、そ
の中にはサエズリの部分もあった。
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