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調査方法と結果
1.
庭に来るシジュウカラを2022年の2月から、翌年4月までの期間に、さえずり・地鳴きの様子を動画撮影または録音し、その時の状況を記録しまし
た。
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2.
録音した2066ファイルの音を音声解析ソフトでスペクトログラムに表しました。使用したソフトはAudacity3.2.4およびSonic
Visualiser4.5.1。 |
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Audacity3.2.4
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Sonic
Visualiser4.5.1
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3.
スペクトログラムで音程や強弱の変化があっても音の発生から消えるまで連続している1つの音で長さは0.01秒から0.4秒程度のものを音素としました。
各音素には識別記号を独自に付け命名の規則は以下のようにしました。
基本形は任意にアルファベットを付けた 例. P
次に続く小文字は
u=up 音程が上がる
d=down 音程が下がっている
f=flat 音程が一定
n=noisy 多くの音の集合
v= variation 変形
a= attached 別の音が付属している
o= overlap 音程が多重
s=short 短音
m=middle 中間の長さの音
l=long 長音
数字が付加しているものの基本は周波数帯 例. P6は6kHz付近の音としました。
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4.
スペクトログラムで判別の難しい音は再生速度を25%にして判断しました。こうするとスペクトログラムではよく似た形でも、全く違う音になりました。
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あるサエズリの鳴き声
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別のサエズリの鳴き声
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5.
雌とヒナ・幼鳥の鳴き声は、特殊なため別に検討します。
6. リストは随時追加訂正します。現在60個の音素が判別できましたが、さらに精査すれば増減があると思います。
音素リストはこちらから⇒こ
こをクリック |
7. 分析過程で分かったことがいくつかありました。
一つには、シジュウカラは器用に長さや音程・強弱が違う二つの音を出せるということです。どうやら鳥は鳴管(めいかん、syrinx)といわれる発声器官
で音を出し、シジュウカラの属する鳴禽類は鳴管の筋肉がよく発達していて、高度のさえずりをすることができるとのことです。
さらに同じ鳴禽類でよく行動を一緒にしているヤマガラはシジュウカラの単純な2音と違い下のスペクトログラムのように何重もの音の重なりで鳴いていまし
た。 |
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