なんでも研究室

ミミズあれこれ

畑や山で実際にミミズを探す

 
越冬していたフトミミズ科のミミズ  
●2000年2月11日(金)
 冬は卵か幼体で暮らすと思っていたフトミミズですが、
環帯がある立派な大人です。
山の際にある側溝にたまった土の中にいました。
 土の表面は枯葉で覆われていました。
 大小色々いて、大きいのでは体長20センチメートル
ほど直径は5ミリメートルはありました。
 どうやら、越冬しているようです。
 よく見ると大きいミミズも小さいのも背の中央に線が一本ありました。だからクソミミズなのでしょう。
 

●2000年5月13日
 越冬していたミミズを改めてゆっくりと見てみました。すると少なくとも赤っぽいミミズと黄灰色をしたのと二種類は、いるようで、クソミミズというのは、はやとちりでした。じっくり観察してみます。


 
 
越冬していたフトミミズ科のミミズ その1
赤っぽいふといミミズ
北隆館「新日本動物図鑑」(上)記載の特徴と一番近いのは
ひとつもんみみず 
 Pheretima hilgendorfi (MICHAELSEN)
●2000年5月21日
 赤っぽいミミズは、背面が赤褐色、腹面が黄灰色でいずれも皮膚は半透明で特に背面には青紫色の血管が通っているのがわかります。体長は15センチメートルほど。体幅は5〜6ミリメートル。冬に見たときには環帯があったのに今いるのは、まだ成長途中らしく環帯もはっきりしないが、腹面の8節と9節の中央に橙色の紋かあるいは、へこみのようなものがあります。これは8節だけのや10節にまであるのもいました。下左図のように6〜7節、7〜8節の側面の両側にも紋があり、環帯の中央にはっきりとはしないが穴が見えました。
●2000年5月27日
 赤っぽいミミズの乳白色の環帯が一週間で成長してきました。環帯にある穴もはっきりしてきました。その他の変化はありません。
黒い点はゴミ。このみみずは紋が二つですが、一つのもいるし、3つもあるのも良く見ます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
越冬していたフトミミズ科のミミズ その2
黄灰色のミミズ
北隆館「新日本動物図鑑」(上)記載の特徴と一番近いのは
へんいせいみみず
Pheretima heteropoda(GOTOetHATA)
 黄灰色のミミズは、体長は同じく15センチメートルほどだが体幅は3から4ミリメートルと細長い。これも皮膚が薄そうで半透明で背面の青紫色の血管が通っているのがわかる。これはすでに成熟しているらしく乳白色の環帯がはっきりとわかり、腹面に穴が一つあいています。環帯の後方には一対の穴があります(下右図)。それ以外のはっきりした特徴は見当たりません。

 黄灰色のミミズを良く見ると環帯の後方の一対の穴は二つあるようです。ただ、ミミズ自体が小さく、また盛んに逃げようとするので15倍のルーペでは限界のようです。もう少し倍率を上げて見ました。環帯の後方腹側の孔は一つで周りが皺(しわ)になっていました。5〜6、6〜7、7〜8、8〜9番目の体節の間に4対の孔があり、その近くに3対の突起がありました。8番目と9番目の体節の中央近くに一対の孔か突起があり7体節には片側だけありました。

 

 
図鑑との比較
越冬していた
黄灰色のミミズ
へんいせいみみず
Pheretima heteropoda(GOTOetHATA)
体長
150mm
137〜207mm
体幅
3〜4mm
3.5〜4.5mm
体節数
 
96〜145位
背面色
褐色
 褐色
腹面色
黄灰色
 蒼白
受精嚢孔の位置
5/6
5/6
6/7
6/7
7/8
7/8
8/9
8/9
4対腹面側方
4対腹面側方小円形
背孔の始まり
 
11/12
雄性生殖孔
18剛毛線上に一対
18剛毛線上に一対
  両孔間の剛毛は12
性的乳頭状突起
6〜9に多数剛毛線前方及び後方
5〜9の受精嚢孔開孔区域のみ剛毛線前方
その他
   分布は広く、塵芥

 

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